2025/06/16 15:41

Tシャツは私たちが生まれる前から世の中に流通しており、誰もが子供の頃から当たり前のように着てきた。そのため、その作りに目を向けられることは決して多くない。〈HAUTE CURATE〉では、ファーストコレクションのすべてのアイテムで丸胴ボディを採用した。胴体部を筒状の1枚の生地で作る丸胴ボディは、脇下に縫い目のある横割りに比べて流通量がずっと少なく、一般的には1枚あたりのコストが高い。それでも丸胴ボディを採用したのは、心地よく着られるデイリーウェアとして適していることと、こだわりの強い男女には「響く」と考えたからだ。
ファストファッションからラグジュアリーメゾンまで、多くのブランドは横割りのボディを採用している。主な理由は、大量生産に適しており、1枚あたりの単価が安いから。ファッションブランドのTシャツは最低でも100枚単位で発売することがほとんど。広く流通していて安価な横割りは、コストカットを重視するブランドの需要にマッチしている。
一方、筒状に編んだ生地を胴体部してそのまま使い、袖を縫製して作る丸胴ボディは、先に述べたように流通量自体が横割りに比べて少なく、必然的に高単価であることが多い。それでも丸胴ボディを選んだのは、「たかがTシャツ、されどTシャツ」の精神に他ならない。
具体的には、縫い目が脇腹などに触れないため、横割りと比べて明らかに着心地が良いこと。直接肌に触れるTシャツは、デザインと同じくらい快適に着用できることも重要だ。
また、筒状に編まれていることで型崩れしにくく、耐久性にも優れている。着用と洗濯を数え切れないほど繰り返すTシャツは、快適であるとともにタフであることも大切。
つまり、丸胴ボディには長く快適に着続けられるという絶大なメリットがあるのだ。
身に着けるモノへのこだわりが強い人ほど、「たかがTシャツ、されどTシャツ」と思っているのではないだろうか。
〈HAUTE CURATE〉のTシャツは、シルクスクリーンプリントなどの技法を用いて、Tシャツ作りに特化した人たちが1点ずつ手作業で制作している。ほとんどの人が気にしない細部のディテールにこだわることは、モノとの付き合いとして素敵なことだ。